中学校入学

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小学校をなんとか卒業した。担任の教師からは、お前は卒業できない と言われて脅されていたので、内心少しホッとしていた。中学生になった私はもっとひどい方向へ行くと言うのに。 まず、学生鞄を買ってもらえなかった。当時学生鞄は、校則で絶対持つように定められていた。姉が三人いたのでお古は三つあったが、年が離れているせいもあってか、ボロボロに壊れていて使えなかった。なんとか使えそうな残りの一つは、マジックで落書きだらけ。ステッカーも貼ってあり、他の二つに比べてましなだけでやっぱりボロボロだった。入学式にこんな鞄なんて持って行けない…。半泣きになっている私に母親は「これを使ったら?」 と、明るい亜麻色の手提げ鞄を渡してきた。学生鞄は黒色。こんなもんでごまかせるわけないだろ!と思ったが、買ってもらえないものはしょうがない。私はリュックだけ背負って学校に向かった。 「こらー!お前、なんで学生鞄を持っていないのか!?入学早々ふざけるな!!」 ほんと、先生のおっしゃる通りです…。 一応事情を話してはみたが、そんな話し信じてもらえるわけがなかった。そしてその日からまたしても問題児扱い。さらに、陰気でオタクでバカのくせにやたら色気づいていた私は、小学六年生でピアスをしていた。当時そんな奴は一人もいなかった。そのピアスがさらに拍車をかけて、入学早々私の立ち位置は ヤンキー不良問題児 で固定されてしまった。読書と絵を描くのが生き甲斐の、ただのオタクだったのに。こうなってしまうと、一度付いた印象はなかなか変えられない。私は段々開き直るようになっていった。
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