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「姿形は昼間の王女様の様な……。まぁ、あの御方も大火傷は必死。城で騒ぎが無いところを見ると――命は助かったのでしょう」
世間話をしたいのかしら?
「あんな小僧のために、愚民のために、何を必死になっておいでやら、さっぱりわかりませんな」
簡単な挑発ね……。
私は横に腕を伸ばし、親指を立てる。
そして、親指を下に回した。
「お喋りはお嫌いですか……。ならば――」
そう言うとナイルは両手を合わせ、指を組み、形を作る。
あれは――印!
そして、5つのスペル。 炎……いえ、爆発!?
印とスペルでより正確に!?
なるほど……。
狙いは私の顔を隠している布を取る事ね!
私はナイルの魔法が発動するのと同時に、やや後ろへ高く飛び上がる。
足元で爆発するように。
爆風に乗れるように。
「……まるで私のすることが分かっているかの動きですな……」
ナイルは再び印を結んだ。
そして、12のスペル。
あれは昼間の……。
私はナイルと同じ様に印を結び、同じスペルを唱えた。
1度見たら忘れない。
それが私の力。
ナイルよりも早く。
発動を合わせる。
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