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ナイルの黒炎は、私の黒炎とぶつかり、消えた。
「まさか……!? インスタントイミテーション!?」
ナイルは目を大きく開き、ワナワナと震える。
「フ……フハハハハハッ! 素晴らしい!」
そして、手を叩いた。
「そうか……。素晴らしい能力だ。推測するに、武術もイミテーション出来るのですなぁ」
ナイルの表情は、まるで財宝を掘り当てたかのような、無邪気な笑顔だった。
「どうですか? 私と組みませんか? あなたと私なら、この世界の頂点に立つことなど、他愛もないでしょう」
私は、右手で自慢の後ろ髪を跳ね上げる。
「興味がないわ」
私の声を聞き、ナイルの動きが止まった。
「その声……その仕草……まさか……」
私は、肩が上下するほどのため息を吐く。
そして、顔を隠している布を取ってやった。
「残念ね。ナイル」
「リリー……王女――」
「の、双子の姉よ」
「なんと!?」
「ウッソッ!」
私は素早くナイルの懐に飛び込み、ナイルの腹部に肘打ちを食らわした。
ナイルは3メートルほど吹っ飛んだ。
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