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私は町の人たちに連れられて現場へと向かった。
「退け退け~! 頭が高いわぁ~! ドン・ナイル様のお通りだぁ!」
ドン・ナイル。
一月前にこの町に来て、ソーサラーのトップとなった。
初めて会う。
「退け! 頭が高いわ!」
先を行く使用人が、道を開けさせる。
頭が高いと、地面に座らせ、それをしないと蹴るなどの暴力を振るう。
わざわざこんな所に来なくても良いのに……。
私は使用人の前へ立ちはだかった。
「お止め下さいませんか?」
一応笑顔で言ってみる。
「何だ? お前は!? 町人風情が、調子に乗るなよ!?」
使用人は私を睨み付けた。
「これ! 止さんか! その御方はリリー王女様だぞ!」
そう言って現われたのがナイル。
数人が担いでいる椅子に座っている。
お神輿。
「あわわわわ……」
使用人は腰を抜かしてしまう。
私は自慢の金髪を手で跳ねあげた。
髪型はポニーテール。
私的にはポニーよりもホースと言って貰いたい。
それくらい長く、手入れも怠っていない。
私はナイルを見た。
「部下が失礼をしたようで申し訳ない」
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