第1話:「興味が無いわ」

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 椅子の上から偉そうに……。 「わざわざココを通らなくても宜しいのではありませんか?」 「それはリリー様とて、同じでございましょう? こんな所にご用があるとは思えませんが?」 「私は日課にしておりますの。みなさんの様子を伺えますから」 「同じですな。私どもは、きちんと身分の違いを教えてやる為に日課しようとしております」 「そんな必要はありません! 決まったテリトリーがあるでしょ!?」 「下の者のテリトリーに入るのは違法ではございませんでしたでしょう?」 「だからと言って暴力は許せません!」 「身を持って覚えさせ――」 「あんた! 頭が高いのよ!」 「……申し訳ございません」  ナイルは椅子から降り、膝を地面に着ける。  辺りは水を打ったように静まり返った。  あー言えばこう。  頭に来てしまった。  このセリフは言いたくない。けど、どうしても使わなければならない。  身分制度を肯定するこのセリフ。  命令などもそう。  私は町人を守っている様に見えて、権力を振りかざしているだけかもしれない……。 「王女様も、同じですな」  ナイルに言われてても仕方が無かった。
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