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「上の者の言葉は絶対。リリー様もお分かりでしょう?」
……それも良くわかっていた。
私が10歳になり、軍議に参加した時の事。
参加と言っても離れて椅子に座っているだけだったけど。
なんで軍なんて要るのだろう?
私は父上の意見に反対した。
そもそも力なんて要らないんだと……。
その時、私は既に自分の立場がイヤだった。
みんなが私に敬語を使う。
私の方が未熟者であるのは一目瞭然。
ただ、王女であるがために。
偶然、私の父上と母上が国のトップだっただけで……
そして私には……
私の発言以後、騒つく部屋内。
そして当時の世話係り、ユーベが私の側に来た。
ユーベは大好きだった。頭も良く、格好良くって、剣の腕も。そして優しくて……。私の初恋の相手。
でも彼は、どこかに消えてしまう……。
彼は私に悲しそうな顔をして一言。
「我々はリリー様を裁かなければなりません」
どうして?
何がいけなかったの?
幼い私は訳がわからなかった。
後に理解をする。
先ず、父上の言葉は絶対なのだ。
発言をするにも許可が要るとか……。
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