第1話:「興味が無いわ」

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 威厳。  もし誰かが父上の意見に背き、仮にその背いた者を通せば、必要なのは父上ではなく、その背いた者。  たった1回でも前例があってはいけない。  父上が絶対と言う存在では無くなるから。  実に馬鹿げていると思った。  そもそも軍議に出席している中で何人が戦地に行くのかしら?  それに現場は臨機応変でしょ?  しかも、現場で臨機応変に対応をし、王の意志とズレた時、いくら結果が良かろうとも、先ず自己申告をしなければならないとか……。  私は王の意志に背きましたと。  結果が出ていれば裁かれるケースはほとんどないらしいけど……、命懸けでしょ?  報告を待っているだけの人間よりも、戦地に赴く人の方がはるかに凄いじゃない……。  威厳や階級により保っているこの国のおかしな秩序。  私は諸々大っ嫌い!  結局、満場一致で、私の裁きは髪を切る事で終わった。  私が下っぱだったらどうなっていたの?  それ以降、私は髪を伸ばし続けている。  この国を変えるまでは切らない!  そう誓った。  そして、わかっている。  父上や私も、それに守られている事も……。
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