12人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
ナイルは去り際に、小さな男の子に手をかざした。
泣き声がうるさいと。
ナイルの手からは黒い炎がほとばしる。
炎? ……闇の!?
「私の炎は燃え尽くすまで消えんよ……」
横目で、まるで私に挑戦するかの様に呟いた。
私は構わず男の子を抱き締める。
その時、私を捜していたキュベレイが大声で叫びながらやってきた。
ナイルは鼻で1つ息を吐き、去って行く。
命を奪う権限なんて無いでしょ!?
でもこの国には無礼討ちが……。
恐らくソーサラーのトップならこの事件をもみ消す事もできるかもしれない。
ふざけないで!
私にもその権限はある。
だけどそれは回り回って誰かの恨みをかってしまう。
王族は手を出さない。
誰かに頼めば、して貰える。
でも、殺しの依頼なんてできるはずもないし、したくもない。
帰り際、町人が話をしていた。
バタフリーに成敗されれば良いんだと。
同感だった。
力を求められるこの国では力が正義。
目には目を。
それがバタフリーと言う存在になって現れる……。
最初のコメントを投稿しよう!