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深夜、私はナイルの屋敷に侵入する。
広い敷地。
しかし、見張りはおろか、生き物の気配すらない。
そして私は、建物を飛び越え、中庭に着地をする。
「待っていましたよ。やはり、行動が早いですな……」
誘われた。
中庭に通じている、ベランダにて、ナイルが椅子に腰掛けていた。
ショーでも始まるかのようね。
しかし、それは的中した。
ナイルは中指を弾き、パチンと音を立てる。
すると、黒装束姿の何者かが、どこからともなく飛び降りて来た。
あれは……。
東洋の――和の国の忍者とかいう輩……。
「楽しませて下さいよ」
ナイルはニヤリと笑って言った。
私は一瞬にして囲まれる。
素早い。
鎖鎌……。
目を閉じ、10人の場所を把握する。
そして、呼吸を読む。
来るのは1人……。
他の2人が私の動きを止める役。
2人が鎖鎌で仕掛けて来るのと同時に、私へ攻撃を仕掛けて来る1人を迎え撃つ。
空振る鎖鎌。
不意を突かれ怯む1人。
可哀想だけど、喉仏を潰させて貰った。
残り9人。
ナイルはまだ余裕だった。
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