覚醒

2/2
前へ
/21ページ
次へ
その日は突然としてやってきた モニカといつのまにか恋仲になっていた 彼女と結婚してこの宿を継ぐと きめた矢先のことあの男が来なければ全てはうまくいっていたのかもしれない … ある日の朝 ある一人の男がやって来て それが悪夢の始まり その男はおれの過去を知っていた 俺を見るなり 「おい!この悪魔めなんでこの町にいやがる 町を滅ぼすつもりか?」 いきなりの男の言葉にびっくりした俺は聞き返した 「俺の過去を知っているのか? おしえてくれ」 「ああん?何寝ぼけたことをいってやがる、この町から東にある町を滅ぼしたのはあんだだろうが!」 衝撃的な言葉だった 「…」 あまりの言葉に黙る俺 男は続けて言った 「俺は見たんだぜ、お前が悪魔のごとき力で町を消し去ったのを、早くこの町からでていけさもないと殺すぞ」 ざわざわざわ 宿にいた人達はざわつきだす もうこうなると 止められない 「いや、今ここで殺しちまえ」 「そうだ、そうだ」 「やっちまえ」 「これ以上被害を増やすな」 いつの間にか 人々が押し寄せてきた やばいと思った俺はモニカとおやっさんに小声で言った 「にげるぞ、俺が人混みを蹴散らすからその隙に逃げよう」 「あ、…ああそうした方が良さそうだな」 「ええ、わかったわ」 「よしいくぞ」 うなずき その言葉とともに俺は人混みを蹴散らした そして、三人で全力で逃げた 「あっ、逃げたぞ追え!」 「逃がすな」 人々が鬼の様な形相で追って来る 振り返らないで必死に俺達は 逃げた しかし、長くはもたなかった 警邏隊が騒ぎを聞き付け馬で追ってきたのだ そして、俺達は囲まれた 「くっ」 相手は銃を持っている すぐに町の人も追いついてきた 人々は口々に言った 「早くやっちまへ」 「早く殺して」 「なにしてやがる?早く殺れ!」 そして、警邏隊の隊長らしき中年の男がいった 「これも町のいや、世界のためだ許せ 打ち方よーい 撃て!」 そして、容赦のない銃弾の嵐が町に響いた ・ ・ ・ 「やめっ!」 隊長の声と共に 銃撃がやんだ おれはかろうじて生きていた しかし、おやっさんとモニカは… 「なんでなんでなんでなんでなんでなんでこうなるんだぁぁぁぁぁぁぁっ!」 おれは力の限り叫んだ その時空が赤い雲に覆われ 血の雨が降り出し人々が溶けていく まるで地獄絵図だ そして俺たち三人以外は皆溶けてしまった
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加