①19:30、飲み会

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「……だって……、香奈さんモテモテなんですもん……」 ――…………はい? いやいや、モテモテなのは綾菜ちゃんの方であってだな……。 「大体香奈さんは全然わかってないんですよ! 自分がモテること!」 ――え……、なんかその言葉どっかで聞いたことあるような……。 「今日だってみんなに囲まれてすごく楽しそうにしてるし……! あんまりお酒飲まないはずなのにいっぱいお酒飲んでましたし!」 ――ちょっと待った、それは綾菜ちゃんが男性陣に囲まれて楽しそうにしていたからであり……。 「……私だけですか……?」 一通り文句を言い終えた綾菜ちゃんは俯くと、小さな声で呟いた。 「……え?」 あたしは良く聞き取れず聞き返す。 そうすると俯いていた綾菜ちゃんが、再び顔をこちらに向けあたしの目を切なそうに見つめる。 「……私だけが寂しかったんですか……?」
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