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あたしは顔を真っ赤にしながら綾菜ちゃんより先に、二つあるトイレの、ドアから遠いほうに入った。
続いて綾菜ちゃんが入り、スライド式の鍵をしめた。
個室は一人で入った時に十分なスペースがある大きさだったので、二人で入ってもぎゅうぎゅうで狭いとは感じなかった。
むしろ気になったのはトイレの大きさより、個室の暗さである。
個室の中は良い感じに外側より少し薄暗くて、こちらを向いている綾菜ちゃんの顔に影を落としていて色っぽく見えた。
綾菜ちゃんはトイレの壁に寄りかかって僅かに微笑みを浮かべながらこちらを見つめている。
久しぶりの雰囲気に心臓の鼓動が高鳴りだす。
「……じゃあ、するね……」
あたしは覚悟を決め、綾菜ちゃんの肩を軽く掴む。
「……はい」
綾菜ちゃんはそっと目を閉じた。
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