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その音はインターフォンの音だった。
「こんな時間に誰だろう……? 宅配便かな?」
あたしは立ち上がると部屋の壁にあるインターフォンのモニターでドアの外の人物を確認した。
「…………え!」
そこには予想外の人物がたっていた。
「誰だったんですか?」
綾菜ちゃんはあたしの驚きの表情に不思議に思ってか、心配そうに尋ねてきた。
「……あー……、うん、綾菜ちゃんもたぶん知ってる人だったよ……」
あたしのその言葉にさらに綾菜ちゃんの頭の上には『?』マークが増えていた。
「取りあえず、『お客様』のとこに行ってくるわ」
あたしはそう言うと玄関ヘ向かった。
――……そういえば忘れてた……。
毎年誕生日になると家に『やってくるやつ』がいるんだった……。
いや、言い方が悪いな。
『あたしが覚えていない誕生日を覚えていてくれて、何も言わずに当日サプライズで家にきてくださるありがたい友人』といったほうがいいかな。
あたしはドアの鍵を開け、その友人が立っているドアを開けた。
――そこに立っていたのは……
同期の早紀と南だった。
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