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あたしは二人の後ろ姿を見送っていた。
――そっか……、香奈の時間は動きだしたのね……。
あたしは心の中でしみじみと思う。
ボーッと二人の後ろ姿を見つめているあたしを不思議に思ったのか、原田君が声をかけてきた。
「どうした、立花? 気分悪いのか?」
「ううん、違うわ、大丈夫!」
あたしは一歩前にでると、川瀬さんと歩きだして、あたしとの距離が遠くなりはじめた香奈の名前を呼んだ。
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