②21:30、飲み会後

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「あ……、ごめん! あたし青山香奈です。 相澤麻友美ちゃんだよね?」 「う、うん……! なんでまゆの名前知ってるの?」 麻由美ちゃんは自分の名前が知られていることに、驚きと不安が入り交じった顔をしていた。 「あ~……、それはね……」 あたし達は麻友美ちゃんに事情を話しはじめた。 麻友美ちゃん、通称まゆはあたし達の話しを相づちをうったり時折笑いながら真面目に聞いてくれた。 「まゆもいつも前だよ~」と涙を誘う発言もあった。 まゆは一言で表すなら猫っぽいかも。 身長は小さくて髪の毛はボブ、話した感じだと人懐っこいかな? 香奈とはまた違う愛されキャラだね。 一通り話した後で、まゆがあたしにお礼を言った。 「ありがとう! 早紀ちゃん!」 「あれ……? あたし自己紹介したっけ?」 ――たぶんしてないと思うんだけど……。 あたしは不思議に感じまゆに尋ねてみた。 「してないけど知ってるよぉ~! 早紀ちゃん有名だもん!」 まゆは弾けんばかりの笑顔をこちらに向けた。 ――思っている以上にあたしって有名だわ!! あたしは自分の有名さに惚れ惚れするのであった。
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