-真実と空想の食い違い-

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山木は隊長として二人の部下を連れている。 三人で一組となり、日本に潜入捜査をしにきたのだった。 大勢で乗り込んでは目立ってしまう。今回の任務は“現状報告”なために目立ってはいけないのだ。 隊長は部下を選ぶことが出来る。今回の部下二人は山木が選んだ。 ひとりは美月。 一年前、島を一緒に脱出したメンバーのひとりで信頼出来る上に優秀だからだ。 戦闘経験も豊富、そして何よりも状況判断がはやい。 美月は黙っていても自分の意見を持ち、聞かれればその時にとって最良の判断をする。 もうひとりはさちえ。 以前、義昭と共にジャックのアジトを抜け出し、途中で再起不能な重傷を負っていた。意識が戻らないさちえはずっと治療を受けていた。 しかし義昭は勘違いし、ずっとジャックに殺されたと思っていたらしい。 事実は逆だった。 山木は、さちえの医療知識と能力を買い今回の任務に選んだらしい。 『さちえさん、ちょっと』 『はい』 『死因わかりますか』 『みてみますね』
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