-真実と空想の食い違い-

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気味の悪いどんよりとした路地をあとにし、三人は適当に大通りに引き返した。 大通りはさっきとはほとんど変わらず死体だらけ。増えたのはカラスくらいだろうか。 大通りに出た三人は一列になって死体を踏まないように歩く。気分的にも踏めないというのもあるが、万が一にでも生存者がいたらきっと踏まれた痛みで叫び声をあげるはずだ。 わざわざそんな危ないマネは、出来るなら避けたいところ。 慎重に新宿のJR駅を目指した。 『隊長』 順番はさちえが二番目、美月が最後尾。 声をかけたのはさちえだ。 さちえは明かりの消えたコンビニを指差した。 どうやら何か見えたらしい。 『ちょっと気になる』 さちえが何を見たのかはわからないが、店内に何かいるのを見たことだけは間違いないようだ。 『行きましょう。大通りなのでコンビニ側の通りに渡りますよ』
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