-真実と空想の食い違い-

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野生化したペットたちに混じって、人も一緒になって彷徨いている。 ただ、その人は独りだ。その人は野生化した動物に混じって、地面の方に顔をうずめている。 一体何をしているのか…? だいたい似たような景色が続いている。 どこまで行っても人影はない。たまに見かけるのは、野生化した彼らくらいだろうか。 街は、街の原型だけは保っているだけに不気味で仕方ないのだ。 街はあるのに人が居ない。 しかもここは新宿。 夜でも賑わっているこの街に人がいない。 その奇妙な光景はきっとこの先も続いているのだろう。 見る影もなくなった繁華街。普段は大量の人間が行き交うオフィス街。 我先にと急ぎ、時計を確認しまた足早に歩き出す。夜になっても時計とにらめっこする人間の数はさほど変わらない。 そんな街がこんなにも静かなのだ。 “不気味”以外では表現し辛い。 何もない場所にあるのは、魂の抜けた抜け殻のみ。 新宿は大量の… 何百単位の死体の山の街に変わっていた。
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