-真実と空想の食い違い-

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人間らしく生き延びているのは、うまいこと救助隊に見つけてもらえた人間のみ。 都内はほぼ壊滅状態になっていた。まず見つからないのが水。 地下の水道管が破裂したのか下水道と飲料水が混じり、街は水びだし。 吹き上がる水は決して安全とは言い切れない。 仕方なくそれを口にする。安全に飲める水が手に入らないのだ。 異臭が立ち込め街全体はあきらかに汚染されていた。 次に食料。 コンクリートで固められた街には、何も生まれない。下手すると地面が見えない場所すらある。 都内で農業を営んでいる人間が殆ど、むしろいないかもしれない。 街に蓄えられていた食料は、人数との割合を考えると全体に十分行き渡るはずもなくすぐに尽きた。 取り合いがもとで何人の死傷者が出たかわからない。 とにかく悲惨な状況になっていたのだ。
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