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ヘリは墜落し、大爆発を起こした。
その後ヘリを一刀両断した閻魔刀が吸い寄せられるようにバージルの手元に戻ってくる。
「…落ちたか…あの爆発では生きてはいないだろう…」
「まあ、生きていたところでもう二度と日本にはこないだろうな」
「…一馬達が心配だ。急いで彼等の所へ行くぞ!」
「了解。やれやれだな」
一方桐生達は中華料理店の奥の裏路地ついにリーのいるとされるビルにたどり着き、中の幹部達を叩きのめした後、ビルの最上階にたどり着いた。
「リーはこの先よ!」
シャルロットが先陣を切って走り出す。そして目の前の派手な装飾の扉を蹴り開けた。
その瞬間巨大な何かが落ちる音がした。
「ッ!?」
シャルロットが後ろを振り向くと、後ろにいた全員が天井から落ちてきた巨大な鉄格子の中に閉じ込められてしまった。
「トラップ…!?」
「くそッ!!」
アキが上段回し蹴りをぶちかます。しかしアキのパワーを持ってしてもこの鉄格子は壊れるどころか傷一つつかない。
「無駄です」
シャルロットが声の方向を振り向くと、長い銀髪の中国人――――蛇華日本支部総統リー・ジンユがそこに立っていた。
「その鉄格子は『オリハルコン』と呼ばれる物質を使って作った特別な鉄。人間や機械の力でどうにかなるものではありません」
「…あんたが…リーね…?」
「いかにも。私が新しい蛇華日本支部総統リー・ジンユです。以後、お見知り置きを」
リーは丁寧に右腕を腹部に当て、お辞儀をした。しかし礼儀正しいその態度からは優しさの感情など微塵も感じられなかった。
龍夜は鉄格子にしがみついたまま叫ぶ。
「シャルロット、気をつけろ!そいつ…かなりヤバいぞ!」
「…かつてのラウのような奴の椅子に座ってるようなこいつが…?笑わせるわね」
その言葉を聞いてリーはふっと笑った。
「おやおや、ミス・ミネール…私がラウと同レベルだとでも?…ふっ、あんな落ちこぼれと一緒にしないでいただきたい。あのような三流の中国人、どこにでもいますよ。いつまで立っても他国の言葉を片言でしか話せないような低能に本来蛇華の幹部など務まらないのですよ。クックックッ…」
リーは冷たい笑みを浮かべる。
「その点私はどうでしょう。武術、勉学、そしてセンス。様々な分野において遥かにラウより優れている。日本支部総統という役回りも頂点を取るための足掛かりに過ぎない」
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