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リーは淡々と続ける。
「そして今は一時的に手を組んでいるトライアドですが…いずれは奴らを叩き潰し…アメリカの主要都市リバティーシティーはおろか、バイスシティ、サンアンドレアスをも傘下に収め…そこから更なる世界への進出を目指す。つまらない復讐心にとらわれて最後は野垂れ死ぬような屑のラウと私は違う」
不気味な笑みを浮かべ、その拳を握りしめるリー。シャルロットの額には嫌な汗が流れ、それと同時に彼女は構えていた。
「ふふ…いいでしょう。あなた方は私達蛇華にとって障害でしかない。障害は排除するのみ。ここまで来たお礼に私が直々に相手をしてあげましょう。覚悟はいいですか、ミス・ミネール。私のスタンドは甘くはありませんよ」
リーはゆっくりと構える。次の瞬間、リーはシャルロットに向けて一直線に走っていた。
「(…来る!)」
シャルロットのアップ・タウン・ガールがリーに対し、素早いストレートを繰り出す。だが、その拳はリーの姿をすり抜けた。
「!?」
「残念。こちらです」
背中に凄まじい衝撃が走った。息が出来なくなる。
「かはっ…!」
シャルロットは吹き飛ばされ、そのまま広い部屋の床に激突して転がっていく。
「あなたには私を捉えることは出来ない。『自分には肉眼では捉えられない凄まじいスピードを与え、相手の肉眼には本人にとって捉えられる速度の幻影が映る』。これが私のスタンド――――『マッドマックス』の能力です。あなたの見ている私は私ではないのですよ」
「…ッ!!」
相手に触れることすら出来ない。触れることが出来なければシャルロットのスタンドは効果を発揮出来ない。リーの前ではシャルロットはあまりにも無力だった。
「くそッ!!シャルロットぉ!!」
四人掛かりで鉄格子を攻撃するが、やはりビクともしない。龍夜達はシャルロットを助けることも出来ず、ただ見ているしか出来なかった。
そうしているうちにシャルロットが再び背後から攻撃を受ける。
「うあッ…!!」
リーの姿は相変わらず見えない。もしかすると龍夜達が動けても全員がシャルロットのようになっているかもしれない。例えここから出れたとして意味があるのだろうか。一人一人いたぶられて倒されるのが関の山ではないのか。
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