名前

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マンションの前に着くとと部屋の灯りがついているのが分かった。      (なんでホッとしてるんだ…。あのガキに何かを期待してるのか? 『チンピラ』のこの俺が、見ず知らずのガキに…)       鍵はかかってなかった。       部屋に入ると、男の子がテーブルに頭をもたれ込むようにして眠っていた。 何かの絵を書いてる途中だった。           男の子を起こさないように、そーっとその絵を拾い上げ見てみる。             「これ、めっちゃ上手いやんけ!それにこれ…、       ――俺の顔?」       そこには、とてもこんな小さな子が書いたとは思えないほどの上手な似顔絵が書かれていた。       しかも俺に似ている。       だけど、あんな短時間しか俺の顔を見てないのに、このガキにこんなことが出来るものなのか…。       このガキ、いったい何者なんや。
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