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「俺の方もだよ――ところで、お爺さんとお婆さんはどうかな」
「うん、四人とも一応健在だけれど、それがどうしたの?」
密菜にはさっぱり分からない。
「そのそれぞれにもご両親が、つまり密菜の曾お爺さんと曾お婆さんがいる訳だ」
「・・・・でも、曾お爺ちゃんと曾お婆ちゃんは、私にはいないわよ」
「それはもう亡くなっているからだろ。でも、過去に存在していなけりゃお爺さん達とお婆さん達は生まれてこない。
生まれてこなければ密菜の両親も出会うことは出来なかったし、そうなれば密菜だって――」
「この世に存在していないって事?」
分かったような分からないような――密菜は相変わらず得心のいかない心境のまま砂浜の砂を足でこそいだ。
逆にその返答を聞いた光樹は満面の笑みを浮かべた。
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