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「血筋って奴は、まさに永遠のバトンリレーって感じだな。
オリンピックの聖火リレーの比じゃないよ。
俺達はそれだけの人々によって受け継がれてきたバトンを背負って生まれてきたんだ。
俺達の存在そのものがバトンなんだ――」
そこまで言って光樹は振り返った。
沈みかけた紅陽を背に、その表情は何故か幾分蒼ざめていた。
「――それでな、あのさ、もうすぐ二一世紀だって、さっき言ったよな。そうその、それでさ・・・・」
どこか歯切れが悪い――いや、どうやら緊張しているようだ。
「・・・・その、バトンリレーって奴に、二人でエントリーしないか。そう、俺達が受け継いだバトンを二一世紀につなげるために」
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