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* * *
ヒナタside
* * *
7月3日の日。
突然の任務が入ってしまった。
早朝からの任務だから、伝える前に出ないといけないみたい。
──御免なさい、ネジ兄さん…。
ネジ兄さんの家の前を通り過ぎる時、そう呟いた。
皆と合流して任務へと出掛けた。
「火影様もキツいよな」
突然、キバ君が口を開いた。
「え?」
「今日、アイツの誕生日だろ?」
「う…うん」
キバ君は知っていた。
私が言わずとも気付いていた。
「し…仕方ないよ」
「遅れてでも言ってやれよ!」
「うん……有難う、キバ君…」
* * *
ネジside
* * *
その日、ヒナタ様は来なかった。
聞けば、任務だったようだ。
なら仕方がない。
いや…期待をしてはいけないのだ。お互い都合の悪い日だってあるのだから。
こうして3日の日が終わりを告げた。
夜中。
眠れずに起き上がった。
部屋の窓を開け、外を眺めた。
──月が綺麗だ。
夏の夜の涼しい風が心地よかった。
目を閉じる。
すると足音が聴こえた。
目を開けると、そこには見覚えのある姿があった。
「ヒナタ様!」
走ってきたのだろう。
息を切らして屋根の上に乗り俺の元へと近づいた。
「御免なさい…突然任務が入って…それで…」今にも泣きそうだ。
優しく抱き締め、頭を撫でる。
「仕方ありませんよ…気にしないで下さい…」
「あのっ…1日遅れたけど……誕生日、おめでとうっ」
目に涙を溜めて頬を染めて笑った。
「有難う御座います…ヒナタ様…」
そして満月の下、俺達は優しくて甘いキスを交わした。
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