視線の先

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 練習行きたくねぇ… 体力的に辛くても、失敗続きて精神的に苦しくなっても、それでも英二は野球が好きで、走ることも楽しかった。 だからこれまで部活に行くのが嫌だと思ったことは無かっただけに、まさか恥ずかしさからそんな日がくるとは思いもしなかった。 もちろん本気でそう思ってるわけじゃないが、気まづいことにはかわり無い。  岩谷さんどう思ったかな  船木さんには話しただろうか  この前のこともあるし  俺が佑奈さんのこと気にしてること  気づくだろうな… 「おはようございます」 他の一年部員に混ざるように、あえて存在を薄くして部室に行ったが、それは全く意味の無いことだった。 「川野!」 洋が手招きをする。 その隣には着替えをする光輔。 何を言われるのかドキドキしながら二人の前に向かう。 「おはようございます」 思わず挨拶の声が小さくなるが、そんなことは気にせず洋は笑いながら言ってきた。 「安心しろ!お前の大好きな光輔は独り身だってよ」 何だその言い方はと、光輔は吹き出しながら笑う。 英二はどう受け止めればいいのかわからず、はぁ、としか言えなかった。 「まぁ、でも他に彼女いるやつなんているし、やろうと思えば両立できるぜ」 何を言われてるのか一瞬わからなかったが、すぐに理解し、帽子のつばを持ちながら照れ笑いを見せグラウンドへと向かった。 安心した。 どうやら英二の心配していた内容とは違う風にとらえてくれていたみたいだ。 女々しい奴にうつったかもしれないが、このさいどうでもよかった。 それに、光輔に彼女はいないこと。 つまり佑奈とそういう関係ではないこともわかった。  後で徹に報告するか
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