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『ねぇ、大丈夫?
怪我はない?』
横たわるのは一人の幼き少女・・・そして少女は僕らと同類だった。
それと、彼女が搭乗していた人革連の主力MSティエレン・・・何故、こんなに幼き少女がパイロットであり、超兵なのかと僕は心底世界を恨みたい気持ちでいっぱいになった。
いや、そんなんじゃすまない・・・人革連ごとなくなってしまえばいいのにとさえ思ってしまった、いや、思ったのだ。
そして、ついに彼女の身体がピクリと動いた・・・
『うっ・・・此処は何処?アナタは・・・ああっ・・・頭が、頭が痛い・・・いやぁぁ・・・近寄らないで、こっ、怖いよ痛いよ・・・あっ、アナタは私と同類?なら、さっさとどっか行っちゃってよ、さっさと消えちゃえ~!』
彼女はヒドく混乱していた・・・それもかなりヒドい精神崩壊を犯しかけていた・・・。
『怖くないからね・・・君は独りじゃないからね・・・僕がいるから、君は安心して休むといいよ・・・。』
自然と僕は彼女を抱きしめていた・・・彼女を彼女の躯を包み込むように・・・
『温かい・・・どうして私なんかを助けたの?私は敵なんだよ、あなた達の敵なんだよ。どうして・・・』
ガバッ・・・
僕は彼女を抱きしめた。力いっぱい抱きしめた。彼女が逃げないように精一杯の力を込めて抱きしめた・・・
『僕はアレルヤ、アレルヤ・ハプティズム。そして僕の中にももう一人いるんだ・・・ハレルヤ・ハプティズム。僕はソレスタルビーイングのガンダムマイスター・・・そして、君と同類・・・』
『アナタも超兵?私と一緒。』
『うん・・・君と同じ、本来は同等の道を歩むはずだった存在だけど、運命の歯車はどこかで途切れてしまった。どこで紡ぎ直せばいいのか、どこから再生させればいいのか・・・それはわからない、だけど、人が僕らが造るしかないんじゃないかな?』
わかってるんだ、上辺だけじゃなんにも解決なんてしないんだってこと。
でも・・・
『アナタは優しいね、誰よりも優しい心をもってるね。私にもあればいいのにね、優しさが。』
『君にだってあるさ、いや、君は十分優しいよ。僕なんかよりも・・・だから、生きて。』
『アナタも生きて!私も生き残るから・・・そして、戦いが終わったら一緒にどこか出かけよう。』
運命の歯車は再び回りだしました・・・青年と少女の約束によって。
明日は変えられるのかもしれません・・・未来はそれぞれ思い描いたカタチそのものなのかもしれません。
想いのカタチそれが夢なのだから。
どうか壊さないで下さいね・・・。
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