👑テイルズＢＬ小説。

記憶 (TORサレの過去を勝手に妄想)

痛い、頭が割れそうに痛い
痛　い　　　痛　い　　　痛　い　‥

「‥皮肉なもんだよ‥やっと会えると思ってた息子に殺られちまうなんてな‥お前を奪ったミストを目前にして、ガマンできなかったんだろーな‥飛びかかった結果が‥これか‥」
「‥ぃ‥ぃぅな‥ッ！」
「‥サレ、お前は‥それでもミストを‥」

ルイの言葉を、最後まで聞き取れなかった。
暴走したフォルスが、自分の周りを覆って、凄まじい風が、辺りを引き裂いていく。コントロール出来ない、その力。

「‥ッあぁあぁぁあぁぁぁぁ！！」

自分の身体が、体中の骨の軋む音が聞こえた気がした。

痛くて、でも感覚は無くて、どこが痛いのかも分からなくてでも悲鳴を上げそうなほど痛くて

身体が、悲鳴をあげている。身体じゃない、心なのかもしれない。

何も聞きたくなくて
何も見たくなくて
全てを拒絶してしまいたくて

真実なんて、いらなかった。

気付いたとき、側には誰もいなかった。

痛む頭を抑え、立ち上がる。見回すと、村は、ほぼ壊滅状態。ズタズタに引き裂かれて、飛ばされた鉄の部品が地面に突き刺さっていた。

「‥これ‥僕がやったの‥？」

遠くから、自分を捜す声が聞こえる。
きっと、捕まったらタダじゃすまない‥逃げよう。

スティーブなら分かってくれたかもしれない。でも‥落ち着いたら、自分から会いに行こうと思い、逃げるようにそこを後にした。

「‥っていうコトなんだよー。僕も苦労したと思わない？」
「ふん、どうせお前のコトだ、作り話だろう。」
「まぁねーバレちゃった？」
「当たり前だ。そもそもそれが本当ならこの城にお前などいないはずだ」
「うんうん、実はそれには続きがあってさぁ‥」
「もういい、さっさと行くぞ。次はスールズか‥もう少しで着くな‥」
「そうだね。こんな山奥に美人サンがいるのかどうか怪しいけど、ま、任務だし仕方ないよ」
「あぁ‥」
「いい暇潰しになったね。さぁ、行こうか？」

そこで思わぬ再会を果すコトになるとは‥僕はまだ知らずにいた。