👑テイルズＢＬ小説。

ふたり (TORミルハウスト×サレ)

ふ、と。

ガジュマとか、ヒューマとか、考えたコトとくになかったけど

だって関わらない

だって逆らわない

自分はいつでも孤独だと思ってるし
一人が好きだし。

女王もガジュマ、側近もガジュマ、兵士もガジュマ。
同じ王の盾の仲間すらガジュマ。

‥ガジュマが嫌いとかいってるわけじゃない。ただ、好きでもないけど。

たまに感じる、あの珍しいモノを見る視線に腹は立つけど‥この城には珍しいヒューマだし、仕方ないとも思うし、大体もう慣れた。

（‥ま、少し息苦しいトキはあるけど‥）

ソファに座り、ぼーっとしながら、考える。

「‥何か言ったか、サレ？」

やば、声に出してた？
忘れてたよ、今はミルハウストの部屋にいたんだっけ。

「別に‥？」
「そうか。なら良いんだ」

そういって、向こうは再び書類に視線を落とす。金髪の長いまつげが、まばたきするたびゆれる。

自分と同じ、ヒューマ。

（あなたと、僕。２人だけだね）

‥なんて。

「‥バカみたい」
「サレ‥？どうかしたのか、今日は何か様子が‥」

はいはい、おかしいってね。こんな小さな呟きにまで反応しないでよ、ウザいなぁ。

別に反応してほしい訳じゃない

「‥サレ？」

無言の僕に、どう対応していいのかわからないミルハウスト。その顔、好きだよ。面白くて。

そのまま、自分の唇を相手のソレに軽く重ねた。

「‥めずらしいな」
「そう？」
「自分からなんて滅多にないだろう」
「‥嫌だった？」
「そう見えるか？」
「‥それを僕に聞くの？」
「ふ‥すまない。嬉しいよ」

整った顔が、柔らかく微笑んで、綺麗な金髪が揺れる。‥何度見ても、それは当たり前で、当たり前でしかなくて。

‥変なの。なんだろ、この気持ち。

「ふたりだけ‥か。それも悪くないかもね」

ふたり。

それは、似ているから惹かれあっただけだと知ってるけど。

それでも僕らは、２人だけ。

End。