👑テイルズＢＬ小説。

記憶 (TORサレの過去を勝手に妄想)

　
アガーテ様のワガママに振り回される。
そんなのはきっと慣れている。
だけど今回はさすがに意図が分からない。
ヒューマの美人を集めてこいなんて。

あのお姫様は一体何を考えているんだか。

そのために国や村を回ったりするのは僕たちなんだけどね‥こんなことする為に四聖に入った訳じゃないんだけど。

「はぁー‥ヒマだなぁ‥ねぇ、トーマ城に帰りたいよー」
「何度同じセリフを言えば気が済むんだお前は」

しかもよりによってトーマと一緒だなんて‥だるさ三割増しだよ。

「だぁってー‥美人集めの為に各地を徒歩で回るなんてしんどいよ」
「そんなにヒマなら、何か面白い話でもしてみろ」
「面白い話‥？そうだな、僕の小さい頃のお話でもしてあげるよ、トーマ」
「あまり興味はわかないが、いい暇潰しにはなりそうだな」
「かもね」

あの頃は、何もかもが新鮮で、毎日が楽しくて。早く明日が来れば良いのに。そんなコトを考えながら眠っていた。

そう、それはまるでお伽噺のように幸せな毎日。

僕が生まれる前、母(ミスト)はスティーブを産んだ。そしてその３年後に僕が生まれたわけだけど。

子供ながらに気になる事があった。
母は柔らかい茶髪の髪色。父(ダレン)は透き通るような紫の髪色。僕は父に似て、紫の髪色。だけど、スティーブは、光を宿すような金髪。

どうしてスティーブは髪の色が違うんだろう。さらに、僕たちは３歳も歳が離れてるのに、そんな気がしない。
兄、というより、同い年の友達のようだった。

もしかしたら僕たちと血が繋がっていない？それは後に分かる時が来る。