👑テイルズＢＬ小説。

記憶 (TORサレの過去を勝手に妄想)

「いつも来てた男‥あいつは、ルイっていって‥私の、前の‥恋人なの」
「‥ル‥イ‥」
「あいつは‥私と付き合ってた頃に、違う女との間に子供を作ったのよ‥！」

‥怖いと、思った。
目の前にいるミストは、今までに見た事が無い顔をしている。

「相手は紫の髪をした女だった‥あなたはね、ルイとその女の間に出来た子供なの‥」
「‥‥ぅ‥‥？」

頭が痛い

「私は彼を愛していたの本当に愛していた‥！許せなかった‥そしてアイツは私を捨てたのよ！私のお腹の中にも、スティーブがいたのに‥ッ」

やっと謎が解けた気がした。
３歳も違うはずのスティーブがあまり僕と変わらない気がした理由。それは僕らが同い年だったから。
血が繋がってないと思ってたスティーブはミストと繋がっていて、僕はミストと繋がっていない。

「だから、奪ってやったのよ‥その女とルイから、産まれたあなたをね‥」
「‥そん‥な‥」
「でも、サレ‥？私はあなたを愛しているわ。本当の子供と同じくらいに‥ね？」

ふっと、いつもの優しい顔。

「‥辛く‥なかったの‥？お母さんは‥僕なんかを育てて‥」
「どうして辛いの？」
「僕は‥ッ‥赤の他人なのに‥それも裏切られた相手の子供なのに‥」
「‥そうね‥大きくなっていくたびに、あなたはあの男と女に似ていく‥それは悲しかったわ‥でもね、それ以上にあなたを愛しているから。苦になんてならなかったのよ？」
「お母さん‥ッ！」

思わずミストに抱きついたけど、雨の中に長時間いたせいで服が濡れて冷たかったっけ。

「‥サレは、どうして？」
「え‥？」
「サレは私を怒らないのね‥私はあなたを奪ったのよ？」
「そんなの‥だってお母さんは‥僕のお母さんは‥優しくて‥いつも笑ってるミストだけだよ‥」
「‥！‥サレ‥ごめんね‥本当にごめんね‥もっと早く私‥」