👑テイルズＢＬ小説。

記憶 (TORサレの過去を勝手に妄想)

その時。

ドンッ

ミストの胸に埋めていた顔に、鈍い衝撃。直後冷たい何かが、かかった。
雨が当たったんだと思い、ミストから離れようと、力を緩める。

『‥なんで今‥に‥なって‥』
「え？」

耳元で、そう小声で呟いたあと、ミストは後ろに倒れた。水溜りが、だんだん赤く染まっていく。

「お前がサレだな？」

何が起きたか分からず、とりあえず声がした方を向くとそこには金髪の男‥
おそらくはルイ、が、銃のような物を握って立っていた。

「やっと見つけたかと思えば、ったく‥焦らせんなよ‥」
「お前‥ッ！‥お母さんを撃ったな‥！」
「はぁ？お前よくコイツをお母さんなんて呼べたもんだな。今聞いただろ？コイツは‥」
「うるさい‥！お前なんか‥殺してやる‥！」
「おいおい、穏やかじゃねぇな。落ち着けって。何を誤解してんだか知らねぇが俺はお前を助けたんだぜ？」
「何、言って‥？」
「よく見ろ。ミストはお前を殺そうとしてたんだ。後ろにどっからとったのかナイフ隠し持ってただろ？」

見ると確かに倒れたミストの側に、小さなナイフが落ちている。‥だけど。

「‥う、ウソだ‥そんなのに騙されない‥」
「あと‥どっかに、レサリアがいるはずなんだが‥お前の産みの親だ。一緒に何年もお前を捜してたんだぜ。今日初めて連れて来てやったんだ。お前を一目で良いから見たいと言って先に行ったはず‥‥」

ルイは、さっきミストを襲おうとして僕のフォルスで肉の塊になった人物を横目で見た。そしてみるみる血の気が引いていく。

「‥！」
「それは‥お母さんを襲おうとして‥とっさに僕のフォルスが‥」

「レサリア‥！」

その肉の塊を、ルイはそう呼んだ。

‥それが、僕の産みの親？

「‥ミストは‥お前が１８になったら、人買いに高く売る気だったんだぞ‥！」
「ウソだ！」
「俺はこう見えて裏の世界を知ってる。お前を探す為に色々調べたからな」
「‥やめろ‥」
「そこで、お前の名前を取引予定で見つけたんだ。‥やっと‥やっと見つけたと思ったのに‥」

やめろ‥！そんなのウソだ‥！何も聞きたくない！！

「‥ッ‥‥‥あぁ‥ぁ‥！」