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副官のモラレスが得心のいかぬ表情をしているのを見て、ハタリは溜息をついてこう付け加えた。
「ここ何年も本物の魔法使いに出くわした奴なんかいないんだ、こいつらが所在を知ってるなんてマユツバものさ……」
「でしたら何故?」
「娘に逢いたいだろう?私もそろそろ野営でついたアカを落としたいんだよ」
雲行きの怪しくなった午後の空を見て、ハタリは再び溜息をついて行軍速度をあげるよう、隊列に指示を下した………。
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