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「確かに、あの時は強大な魔力の開放があった………だが私と盟約を結んだ悪魔や精霊にとって、それが特別なものではなかったことは彼らから確認済みだ。
ニーヴンよ、古き友よ。その翼にふれる様々なことどもを、これから私に伝えてくれぬか」
深い知性に輝く金色の瞳をした青年は切り株から立ち上がると、右手の小指にはめられた指輪をフクロウへ向けて差し出した。
フクロウは差し出された腕に飛び乗ると、指輪を二度つついて空に舞い上がり声を張り上げた。
「承知した、古き友よ!我はこれより汝の目となり耳となり、事象の変異を伝えよう……されば幽界(かくりょ)の放蕩息子、マーリンよ、汝の新しき友と共に運の大河をわたるがいい!」
そういうと、フクロウは振り返りもせずに森を越えて彼方に消えていってしまった。
しばらくフクロウの飛び去った方角を見つめていたマーリンと呼ばれた青年が、ゆっくりと後ろを振り向く。そこには鋼のような筋肉で全身を武装した、不屈のオーラをまとう剣士がひとり、立っていた。
赤茶けた厚手のなめし革の野戦服に身を包み、右手には剣と呼ぶにはあまりにいびつな形をした、邪々しい大剣を握っている。
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