聖なる日に起きた奇跡

3/10
前へ
/12ページ
次へ
事の始まりは、ある一言からだった。 「ねぇ?和樹がこの中の誰が好きか勝負しない?」 そう言った玖里子さんの目には何か強い意思と言うものを感じた。 「そんなの、私を選んでくれるに決まってます!」 そう言い切った夕菜さんの顔には自信満々と言った表情が見てとれた。 なら私はどうだろう?私は式森の事が好きだ。それは断言できる。 しかし私には、玖里子さんの様な美貌や、夕菜さんの様な清純さが無い。 式森にも好かれてはいないだろう。いやもしかしたら、嫌われているかもしれない。 その事を考えるだけで、体が震えてしまう。 好きな人に嫌われているかもしれないという恐怖。 しかし、私は覚悟を決めた。どんな結果になっても受け入れる覚悟を―――。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加