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一颯は淡雪にも見せるように本を置いた。
「あ、本当だ
お母さんってすごかったんだね」
「そうだね
家にいる時はまったくそんな素振りはないのにね」
淡雪と紗雪は家での母親の姿を思い出しながら言った。
「そんなに違うの?」
一颯は疑問に思い二人に聞くと、
「うん、いつものお母さんはどちらかというと普通の主婦って感じだよ」
「あ、でもたまに強盗捕まえたり、痴漢撃退したり、酔っぱらって暴れた人を落ち着かせたりってことはしてたけどね」
「それって普通の主婦が出来ることなのか?」
幸孝は半分唖然とした表情で聞き返した。
「先輩、それは二人にとったら普通なのかもしれませんよ」
一颯も驚いた顔で言った。
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