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赤、朱、紅、丹、緋 あか アカ 目覚めた私に降り注ぐ様々な色のあか これは私の? それとも君? そして少女は墜ちて行く… 双眸を閉じながら…… 穢れた世界の旅 雑踏の中を歩く。固い大地を、人込みの中を、騒音の中を、 少女は歩を緩める事無く歩き続ける。 その傍らには少女より小さい少女がいた。 腰に短刀 背には身体に不釣合いな程巨大な鎚を背負って、先を行く少女に遅れをとらないように 彼女もまた歩を緩めることはない 日が暮れる頃には彼女達は先程の場所とは更に離れた山中に着いていた。 会話は無く、黙々と作業を続ける少女を尻目に、小さい少女は漆黒の山中に踏み入って行く。勿論少女は動じず黙々と作業をこなす。 火を起こし、薪をくべるそれだけの所作、しかし、どこかに眼を奪われる そんな風格が彼女にはあった。 暫くすると少女が帰って来た。狩りに出かけていたらしくその手には、牙獣種と思われる生物が下がっていた。鎚には血が付着し、赤い滴をぽたぽたとたらしていた。こんな山中でそんなことをすれば血の匂いに釣られて獣がやって来る可能性があるにもかかわらず、彼女達はそんなことはどこ吹く風と言うように獲物を火で焼き始める。 二人の少女は焼き上がった獲物を食べる前に二等分にし、胸の前に片手を添えた後、いきなり肉にくらいつく。 まるで彼女達が獣であるかのように…… 少女は食べ終わったらすぐに横になり、眠り始めた。鎚を持った少女は短刀を取り出し刃を研ぐ。鎚を磨く。薪をくべる。長い夜の番を一手に引き受ける。 眠る事は 無い 不意に鎚を持ち立ち上がる。 気配を殺し近付く、鎚を大上段から振り下ろす。 その標的である少女は振り下ろされた瞬間に眼を覚まし、指を鎚に添えて止める。万力を込めたであろう鎚は少女の細い指によって止められた。鎚は微動だにしないがどちらとも無く力を緩め、一人は寝、一人は番、と自分の行動をとる。 彼女達の目的地はまだまだ遠い……
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