わん。×1

11/13
前へ
/25ページ
次へ
 片手を広げてシラに突き出した。  その時、いきなりふすまが開いて、白髪の髭面を覗かせた。 「翠月よ。ままごとではないぞぃ」 「大じじさま! ……どういうことよクソジジイ」  翠月の暴言を受けて、よよよ、と杖に寄りかかる。 「酷いのぉ翠月、小さい頃は大じぃ、大じぃ、と」 「どういうことなの!」 「酷いのぉ、すい」  長い髭をひっ掴んで詰め寄る翠月を止めたのはシラの一言だった。 「だってそういうキマリなんたぜ」  翠月は、いよいよ意味がわからないと言う顔をしている。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加