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「昔、ワシが人狼に助けてもろうたコトがあってな、約束したんじゃ」
「一番最初に生まれた女子を嫁にやる、とな」
スッと父が髭の隣から現れ、言葉を継いだ。
嫁にやる?
どういうことだ?
誰が、嫁にいくの?
「このチビスケがサラの孫かの」
「自然に溶け込めるように拾わせてみたが……必要なかったな」
翠月が混乱している間にも悠長にジジイはそんなことを言っているし、父はふむ、とアゴをなでる。
というか、朝早くにでかけたのはそのせいか。
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