わん。×1

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 はた、と目があった。  雨と泥水に濡れた小さくて白いからだ。尻尾を振って、くりくりとした目でこちらを見ている。 「……かわいい」 「ぁう!」  その言葉に反応したのか、嬉しそうに一声あげた。 「おうちでかってもイイかなぁ」 「かあさまにおこられたらどうしよう……」 「つれてかえりたいっ……」  心配そうに、白い犬が翠月を見上げ、切なそうな声で鳴く。  葛藤の末に、雨に濡れた子犬を抱き上げた。
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