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はた、と目があった。
雨と泥水に濡れた小さくて白いからだ。尻尾を振って、くりくりとした目でこちらを見ている。
「……かわいい」
「ぁう!」
その言葉に反応したのか、嬉しそうに一声あげた。
「おうちでかってもイイかなぁ」
「かあさまにおこられたらどうしよう……」
「つれてかえりたいっ……」
心配そうに、白い犬が翠月を見上げ、切なそうな声で鳴く。
葛藤の末に、雨に濡れた子犬を抱き上げた。
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