わん。×1

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「こんなところにいちゃ、さむいよね」 「つれてかえってもイイよね」 「よし、あたしのおうちにおいで!」  びしょ濡れの1人と1匹が小雨になってきた土手道を鼻唄混じりに歩いていく。  家の門が見えると、不安と期待で胸がいっぱいになった翠月は、怒られる覚悟を決めて、屋敷の門をくぐった。  しかし、びしょ濡れの翠月とその腕に抱えられた白い犬を見た母は、何故かニコニコと笑っていた。  朝早くに出かけていった父は屋敷に帰っていて、何故か頭をなでてくれた。  もう何がなにやらわからなくなり、されるがままに風呂に入れられ、着替えさせられ、居間に座らされていた。
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