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「こんなところにいちゃ、さむいよね」
「つれてかえってもイイよね」
「よし、あたしのおうちにおいで!」
びしょ濡れの1人と1匹が小雨になってきた土手道を鼻唄混じりに歩いていく。
家の門が見えると、不安と期待で胸がいっぱいになった翠月は、怒られる覚悟を決めて、屋敷の門をくぐった。
しかし、びしょ濡れの翠月とその腕に抱えられた白い犬を見た母は、何故かニコニコと笑っていた。
朝早くに出かけていった父は屋敷に帰っていて、何故か頭をなでてくれた。
もう何がなにやらわからなくなり、されるがままに風呂に入れられ、着替えさせられ、居間に座らされていた。
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