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廉は簡単な株取引に手を出し、自分が欲しい本を買えるだけの金は手に入れてい(なぜ巨万の富を手にしようとしないかは、「勝ちすぎるとよくない」という『ゲーム理論』に基づく彼の持論であった)。 そのため、彼の8畳程の自室の本棚は、小説や様々な分野の研究資料で一杯だった。ネットカフェのインターネットを利用し、海外の学者たちの論文も手に入れていた。 不思議と頭が良く、TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)を受験しても英語が母国語である者達に匹敵するであろう語学能力を持つ彼を見て、母はしばしば奇異に思っていたのだろう。 それほどまでに、彼の頭脳は卓越していた。
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