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町へ行く途中、自分を虐める人間とすれ違うことはよくあった。しかし、基本的に学校でのみすぼらしい彼と、プライベートでの着飾った彼はまるで別人のようだった。
したがって、彼に気付く者はほとんどおらず、仮にそれっぽく廉の気配を感じたとしても、己の錯覚と感じて気にせず通り過ぎてしまうのであった。
川沿いの道をしばらく歩くと、にぎやかな繁華街が見えてくる。
その近くに、彼の行きつけの本屋、「修風堂」があった。
気に入っている小説の新刊があることを確認し、店へ入っていく。
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