時次

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「なぁ、もうちょっと俺にお節介焼かせてくれよ・・・。もう、無理だ。お前と一緒に遊んで、バカやって・・・そんなことも出来ない生活、もう耐えられない・・・」 「でも・・・僕は、君に何も出来ずに・・・」 時次が静かに首を振る。 「俺が勉強できなくて困ってた時、お前はいつでも面倒くさがりながら教えてくれた。そのおかげで、お前には及ばなくても、人並み以上の成績がとれるようになった。前に不良に財布スラれて本が買えなくて困ってたときも、お前の家の書斎みたいな本棚から、いつでもお前は本を貸してくれた。そのおかげで、読書感想文で賞なんかもらっちまった・・・。」 「クサい言い方になるけどさ、お前と一緒にいられた今までの日々、全部、お前が俺にくれたもんだ。こんな楽しい生活、今までじゃありえなかった・・・。」
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