1人が本棚に入れています
本棚に追加
「その傷、またやられたな!?最近はマシになったと思ってたのによ・・・。」
回想に浸っていた廉の傷だらけの顔を見て、時次が言う。
「2週間ぶりだ。意外と月日は経っちゃいないぞ、時次。」
「クソ、あいつら・・・次見かけたら、ただじゃ・・・」
「いいよ、大丈夫。わざわざ時次に頼ってるわけいかないだろ?」
「だからって・・・」
「ほらほら、本買うんなら早く買いなよ。」
廉が時次を急かす。
「どうだい、久々に外であったことだし、今からお茶でも?」
「相変わらず古風な誘いかただなぁ・・・まぁいいけどよ。」
廉の誘いに、時次が笑いながら応える。
「しかし、お前も暇してんなぁ。普通の中学3年生なら、今頃受験勉強でヒィヒィ言ってる時期だぜ?俺なんか平日外出るのなんか一週間振りだ。」
「僕は普通じゃないから。」
廉の言葉は自慢でも何でもない、事実だった。その言葉に嫌みったらしさも何も感じられず、むしろそれが癪なように廉は言った。
最初のコメントを投稿しよう!