もう少しだけ

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時次を連れ立って、廉は近くの喫茶店に入った。 「紅茶。」 「アイスコーヒー。」 各々飲み物を注文しながら、席に着く。 「それでお前さ、修学旅行どうすんだよ?誰か一緒に行くあてでもあんのか、あのクラスで?」 時次が半ば不満そうに、廉に尋ねる。 二人の通う中学校は、3年の2学期末に修学旅行を行うという、受験生にしてみれば実に傍迷惑な習慣があった。旅行地は北海道、札幌なのだが、2日目は一日、クラスの中で2人以上のメンバーで自由行動をすることになっていたのだ。しかし、クラスの中に友達などいないに等しい廉は、誰と一緒に街中を散策するか悩んでいたのだ。 「まぁ・・・悩んでたんだけど、黒澤と一緒に行こうと思う。」 「誰だよそれ?」
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