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「話を聞く限り、えらく明るいキャラを演じたようだが。」
「そうか?構わないさ、彼は悪い奴じゃない、それだけはわかったんだから。」
話を聞き終わった時次の反応に、廉が返す。
「まぁ、楽しめよ。せっかく相手見つけて、つまんなかったら意味無いからな。俺のチームの行動計画後でメールで教えるから、余裕あったらまた会おうぜ。」
「あぁ。」
それから二人は、久しぶりに近況を報告しあい、談笑した。家族のこと、勉強のこと・・・。
「お前の家、親子で顔も合わせられないのか?」
「母さんは僕が起きる前に仕事行って、明け方に帰ってくるから。」
「過労でぶっ倒れないのかよ?」
「仕事場で休憩とってるんだと。その間くらい帰ってくればいいのにさ。」
廉の言葉には半分嘘が隠れていた。廉と母親の間に特別な親子の絆と呼べるものは無く、実に関係の薄い親子であったからである。
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