闇へのプロローグ

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ようやく学校が終わり、少年は逃げるように帰路につく。 不良に絡まれることもあるが、学校という枠で無ければ彼は精一杯の力を発揮できた。 もし教師にとやかく言われても、自分になら完璧な嘘がつけた。 だからこそ、襲いかかってくる愚者共は、彼にいとも簡単に薙ぎ倒されていたのだ。 喧嘩の才能、明晰な頭脳、端正な顔立ち。 金以外の人間がうらやましがる要素を全て兼ね備える少年。 本来なら苦労も知らず、幸せに生きていけるはずだった。
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