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ズズズッ
100%オレンジジュースを音を立てて飲み始めた楓を見ては窓の外に向かって大きなため息を吐いた。
「せっかく付き合ってるのに失礼なやつ」
「これも昔からのよしみだろ」
志貴と楓、実はこの二人茜と出会う前からの知り合いだったりする。
互いに小さい頃から勉強熱心な両親に育てられた二人は地元でも有名な学習塾へと通わされる羽目になった。
半ば強引に通わされたことに腹を立てていた楓は同じような経緯で塾にいる志貴と仲良くなり生徒の中では浮いた存在になっていた。
そんなこと気にするような精神面を持ち合わせていない二人は好き勝手に過ごし(しかし、なぜか上位に席を置いて)中学を卒業と同時に塾を去ったのである
志貴が茜の存在を知ることになったのは楓の家へと招待されたときに見たアルバムがきっかけだった。
楓の隣に写る明らかに楓目当ての二人の女の子と、少し距離を置いて不機嫌そうに眉間に皺を寄せ、カメラに目線すら合わせていない黒髪の男の子
有名なアトラクションをバックに写る四人はそれぞれがまったく別のことを考えているのが写真だけでもよくわかる。
「それさ、チケット手に入ったからって誘われてさ」
それ…と、今見ている写真を指差し、つい先日に行ったのか細かいことまでよく覚えている楓は楽しげに話しだした
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