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まあ、そういった経緯もあって今こうして志貴と楓は以前にも増して親密になっていたりする。
「茜ちゃんてば今頃なにしてんのかな。」
「もう家に帰ってるって。」
「あー、おまえと二人っきりでこんなところにいるの見られたら誤解される。」
力なく机に突っ伏した志貴に、もうため息さえでてこない。
「いつものことだろ。茜は誤解も何もしないって。」
どうしてここまで茜にこだわるのか未だによく理解が出来ない楓は、目の前でぐだぐだとヘタレている志貴が落ち着くまで放置しておこうと心に決めた。
「おい、楓。俺まで巻き込んで向かいの席にいる女の子たちにナンパしようなんて馬鹿げた考えおこすなよ。」
心に決めたつもりでいた。
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